眼内リンパ腫は仮面症候群として知られ、眼感染症やぶどう膜炎などの眼内炎症性疾患と所見が類似しておりその鑑別が臨床所見的には困難です。 眼内リンパ腫の確定診断には眼内検体を用いた病理検査が最もスタンダードですが、その結果でClass Vが同定されるのは約1, 2割で、その診断の難しさが挙げられています。
近年はB細胞リンパ腫のその診断のためにB細胞腫瘍細胞のモノクロナリティーを証明するために、IgH遺伝子再構成PCRが有用であるとのいくつかの報告がなされています。 我々は、ライトサイクラーを用いてIgH遺伝子再構成PCR検査を作製しました。 下図のように、眼内リンパ腫の眼内検体ではモノクローナルなグラフが得られて、ぶどう膜炎ではポリクローナルなグラフかグラフが検出されない等となりこれらの鑑別が可能です。