よくある質問と回答
網膜色素変性
について
- Q-1
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網膜色素変性 です。現在、地方の病院に通っているのですが、先端医療センター(2017.12より神戸アイセンター病院)病院など専門外来に伺うと治療への一歩が踏み出せるのでしょうか?(2019年1月8日更新) - Q-2
- 過去に色変に関連する、遺伝子が40ほど、解明されたと聞いたことがありますが、薬による網膜再生と遺伝子との関連はどうなるのでしょうか。今回の網膜再生の為の、薬の投薬により、色変に関連する遺伝子についても、治療効果が及ぶのでしょうか。
- Q-3
- 網膜の血管の血流を強制的に促進したり、網膜の血管を再生などなどして血管を太くして、網膜変性の改善を図ることが出来ますか。また副作用などがありますか。
- Q-4
-
虹彩の色の変化と
網膜色素変性症 は関係ありますか。 - Q-5
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網膜色素変性症 で視神経が正常な場合について、網膜の再生研究が進んでいるようですが、人への臨床応用はいつ頃になりそうですか。教えてください。
- Q-1
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網膜色素変性 です。現在、地方の病院に通っているのですが、先端医療センター(2017.12より神戸アイセンター病院)病院など専門外来に伺うと治療への一歩が踏み出せるのでしょうか?(2019年1月8日更新)
- A-1
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網膜色素変性 に対する視細胞移植の最初の応用は来年度以降を目標にしていますが、 最初は安全性を調べる臨床研究ですので、効果は期待できません。光がわかる、ぼんやりものの気配がわかる、 といったところから効果を確認しつつ、さらに発展的な治療につながるよう同時に基礎研究も進めています。
現在は人工網膜や、遺伝子のタイプによっては遺伝子治療なども始まろうとしています。また、九州大学では 保護効果を目的とした遺伝子治療なども行われています。移植治療のみでなく、いろんな治療が開発されつつ ありますので、遺伝子診断など含め、将来的な治療などアイセンターの網膜色素変性外来 でも相談をお受けしています。
ただ、何れにしてもすぐに効果が得られるような治療はまだ難しいですが、治療にばかり頼るのではなく、 患者会などとつながって、ロービジョンケアなどの情報を得ていただくと、生活上有用なグッズがたくさんありますので、治療するのと同じ効果を得られることもあります。
アイセンターでは2階フロアのネクストビジョンでそのようなグッズなどの相談も受け付けておりますので、ご来院ください。 (2019年1月8日更新)
- Q-2
- 過去に色変に関連する、遺伝子が40ほど、解明されたと聞いたことがありますが、薬による網膜再生と遺伝子との関連はどうなるのでしょうか。今回の網膜再生の為の、薬の投薬により、色変に関連する遺伝子についても、治療効果が及ぶのでしょうか。
- A-2
- 遺伝子にはまったく関係ありません。
どの遺伝子が原因でも新しい視細胞ができると思いますが、できた視細胞は同じ遺伝子を持っていますので、また変性が起る可能性も高いです。
- Q-3
- 網膜の血管の血流を強制的に促進したり、網膜の血管を再生などなどして血管を太くして、網膜変性の改善を図ることが出来ますか。また副作用などがありますか。
- A-3
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網膜色素変性 の患者さんによく処方される内服薬として循環改善剤(カリクレインなど)があります。これは、網膜や脈絡膜血管の血流を良くする事で網膜変性を遅延させようという意図ですが、残念ながら臨床的に効果があるというはっきりしたデータはありません。これらの薬に特有の重篤な副作用はありません。
一時的に明るくなる等の効果はある場合もあります。
- Q-4
- 虹彩の色の変化と
網膜色素変性症 は関係ありますか。
- A-4
- まったく関係ありません。
- Q-5
-
網膜色素変性症 で視神経が正常な場合について、網膜の再生研究が進んでいるようですが、人への臨床応用はいつ頃になりそうですか。教えてください。
- A-5
- いつごろという予測はできない状態です。
またどういう臨床応用を考えておられるかによって異なります。
胎児網膜細胞移植と同様の効果を得るための動物実験に5から10年。
1例目の臨床応用までにそれから2年、その後1年に数例ずつといったペースが考えられます。
初めの方は効果判定は難しく、安全性を確かめる試験になると思います。
まだ予測はできませんので、治療開発を待つ間に、現在の視力を使っていかに生活を工夫するか、ロービジョンケアをしっかり受けて年月を有効に使ってください。