研究室について
リーダー紹介
網膜再生医療研究開発プロジェクト
客員主管研究員 髙橋 政代 M.D., Ph.D.
網膜は身体の外に突き出している脳の一部と称され、その比較的単純な構築と体表 面に突出している点が扱いやすく、中枢神経のモデルとして使用されます。最近まで障害されると再生しないと思われていた成体ほ乳類網膜が、少なくとも傷害時に網膜神経細胞を生み出す力をもっているらしいことがわかってきました。このことは、成体網膜も神経回路網を再構築する能力を秘めているのかもしれないと期待させます。この力を使って、網膜の中から、あるいは外から細胞を移植することによって、疾患で失われた網膜機能を再生させたい、これが
視細胞プロジェクト
副プロジェクトリーダー 万代 道子 M.D., Ph.D.
研究テーマ:臨床応用にむけての網膜/視細胞移植治療に関する研究
RPEプロジェクト
副プロジェクトリーダー
杉田 直
M.D., Ph.D.
1.基礎研究(眼移植・免疫研究)
眼移植・免疫研究グループでは、iPS細胞などの再生医療技術を用いて網膜の細胞(網膜色素上皮細胞など)を作製して、ヒト臨床試験に向けた網膜移植を目指した研究プロジェクトを行っています。移植時に問題となる生体反応の一つ、拒絶反応のメカニズム(下図)やその対処方法などに取り組んでいます。また、その網膜の細胞を使用した眼の局所防御機構の解明、眼内炎症性疾患(ぶどう膜炎)の炎症病態機構の解明などの研究も行っています。さらに、理化学研究所の利点を生かして連携病院と共同研究を活発に行っています。
2. 臨床研究(ぶどう膜炎研究)
ぶどう膜炎は失明につながる可能性がある眼内の炎症疾患で、種々の全身疾患や各種病原微生物による感染症など多岐にわたる原因により生じます。従って、正確で迅速な診断は的確な治療に不可欠です。その為に、最新のDNA診断法や免疫学的診断法を取り入れてぶどう膜炎診断システムを開発し、臨床に応用しています。多くの臨床研究が現在進行中ですが、その中で代表的なプロジェクトをあげると、ヒトヘルペスウイルスによるぶどう膜炎、細菌・真菌による眼内炎の迅速診断システムです。