冬眠チームは 網膜再生医療研究開発プロジェクトに所属する研究チーム(メンバーはこちら)で、2015年4月から砂川玄志郎をリーダーとして、冬眠を臨床に応用するための研究開発を行っています。生理学・医学・情報工学・分生生物学を得意としていいますが、常に新たな技術を取り入れ、他の研究グループとのコラボレーションを積極的に行っています。

日内休眠するマウス

冬眠中の動物は休眠という基礎代謝が低下した省エネ状態に入ります(能動的低代謝ともよぶ)。臨床における目標としては重症患者の搬送や、臓器の長期保存、あるいは全身麻酔の安全化などで、代謝が高いことが問題となる臨床の様々な事象に対して、天然由来の低代謝である休眠が解決策の一つになると思っています。このために能動的低代謝のメカニズムを明らかにし、人間の体や臓器・細胞に安全に能動的低代謝を組み込むことをミッションとしています

冬眠動物はいつでも好きなときに冬眠に誘うことは今の科学技術ではできません。また、冬眠動物は最先端の科学技術を駆使しづらいため、かわりに遺伝子工学やゲノム情報が充実しているマウスを用いて能動的低代謝の研究開発を行っています。マウスは冬眠をしませんが、かわりに日内休眠という基礎代謝が著しく低下する状態に入ることができるからです。さらに、2020年に筑波大学・櫻井武研究室とコラボレーションでマウスを冬眠動物のような数日に渡る低代謝状態に誘導することに成功しました。今後、冬眠様状態のマウスを用いた研究開発を進めていく予定です。

マウスを冬眠様状態に誘導できる

冬眠の臨床応用を実現するためには、自然界の休眠現象を深く理解することが近道だと考えています。科学としての休眠・冬眠の基礎研究には未解決の問題が山積していますが、従事している研究者がとても少なく、とても進歩がゆったりとした分野ですので、学問として追求しがいのある分野です。同時に、休眠・冬眠の基本原理を明らかにし、人間に実装することで、確実に人間社会に貢献できる分野でもあります。人工冬眠が実現すると人間社会が大きく変貌することが予想されます。したがって、冬眠の臨床応用を実現するためには、生物学に限らず、他の分野からの研究者(化学・物理学・情報科学・工学・社会学・哲学・法律学 等)の参入が必要だと考えています。また、冬眠の社会実装にはアカデミアのみならず産業界からの協力も必須です。人類の叡智を結集し、人類の時空間的生存範囲を次のステージに進めたいと思います。ご興味のある方は砂川までご連絡ください。

大学院生募集中

冬眠チームでは休眠を使った未来の医療を作りたい学生を募集中です。休眠のメカニズム解明あるいは休眠の臨床応用に関連する研究を行うことができます。また、冬眠の医療応用に限らず、冬眠の原理の探求や、医療以外の社会実装についても研究を行うことが可能です。現在、2名の大学院生が冬眠チームの重要な研究テーマ日夜研究を行っております。研究室の見学やご相談などは常時受け付けております。多くの謎が残された休眠という生命現象を一緒に解き明かしながら人類に貢献する研究開発に挑戦してみませんか?興味にある方は砂川までご連絡下さい。

講義・講演

冬眠の臨床応用を実現するためには、社会からの基礎研究の受容と研究者人口の拡大が必要です。そのためには自分たちのチームだけではなく、できる限り多くの人たちに興味を持っていただくこと、多くの若者・子どもたちに興味をもってもらうことが重要だと考えております。そこで、出張講義・出張講演をお引き受けしますので、興味のある方は砂川までご連絡下さい。冬眠研究の最前線についてわかりやすくお話いたします。